「2007年 中山サーキット」
無事に終わった開幕戦から1週間後、早くも開催された第2戦は、福島から大きく南西に移動して岡山へ。今年のディレッツァチャレンジでは最も西側の開催地となる、創設35年という老舗、中山サーキットだ。焼き物で有名な備前の近くに位置し、さらに温泉街もあって、サーキット帰りにサッパリしてから帰宅……なんてこともできてしまう、のどかな環境だ。
コースは1周の距離がエビスサーキット西コースより若干短い2007mで、最大標高差は25m。ホームストレートが上り勾配のため、パワーのあるクルマが有利か? と思ってしまうところだが、ストレート自体は短く、アップダウンに富んだレイアウトなので、パワーだけでは速く走ることができない。さらに、エスケープが少なく、常にコンクリートウォールが視界に入ってくるという、スリリングで攻め甲斐のあるコースだ。
当日はバッチリのドライコンディション。今年は昨年(27台)を大幅に上回る46台がエントリー。しかも熱い参加者の多い関西地区。はたしてどんな戦いが繰り広げられるのだろうか?
朝イチは、GTドライバーの服部尚貴選手と田中哲也選手により、ディレッツァチャレンジのデモカーのRX-8とエボ8のチェック走行から開始。参考タイムは、デモカーのエボ8が1分4秒台、RX-8が1分9秒台。タイヤの空気圧は、2.3Kでコースインして2〜3ラップすると2.5〜2.6Kになるという感じ。クルマの重量や特性によっても変わってくるが、早いタイミングでアタックするのであれば2.5あたりの空気圧がタイヤのおいしい部分を引き出せそるのでは、とのことだった。
■練習走行
そして、練習走行がスタート。今回は参加台数もさることながら、車種バリエーションの豊富さも興味深い。
意識しまくりの松井グランドシビックVS宮地CR-X
Class1はインテグラ、シビックの定番ホンダ勢に加え、レギュレーション的に狙い目となるRX-8を郭選手が投入。FF最速車種を相手にどんな走りを見せてくれるのか楽しみだ。「RX-8にとってすごく魅力的なクラス分けだと思うんだけど、今のところ参加台数が少ないんですよ」と大井競技委員長。もちろん、VTEC勢は手強い存在だが、現在、RX-8が活躍できるカテゴリーが少ない中、確かに魅力的だ。
また、変わりどころでは「タイヤ屋さんの紹介で来た」という中川選手、寺岡選手のキューブ/マーチという、かわいい車種も参加してくれた。「サーキット走行はなかなか難しい」と謙遜しながらも、だんだんと元気の良い走りになっていったのが印象的だった。タイム的にはチューニングカー勢に歯が立たないけど、じゃんけん大会で勝負! なんていう楽しみ方もあるわけだ。
タイムを見ると、やはり速いのはVTEC軍団。この時点でのトップタイムは松井選手の1分08秒235。それを細川選手のインテグラDC2がコンマ4秒差で追いかける。昨年の西日本大会で上位入賞の宮地CR-Xと曽根インテグラDC2は、まだ実力を隠している!? それぞれ10秒、11秒台で予選を終えた。
自分でタタキ出したリヤフェンダーと高級なカーボンルーフがアンバランス?でもカッコイイ!内藤S2000
そしてClass2。S2000が幅をきかせているこのクラスに、中山は初めてという長谷川選手のロータスエキシージが登場! 純正でSタイヤを履くこのクルマ。今回のために新品のディレッツァに履き替えてのエントリーだ。軽量ボディを生かした走りで、ホンダ軍団を打ち負かせるか? まずトップタイム1分07秒735をマークしたのが昨年の中部大会トップにして全国大会3位のS2000を駆る内藤選手。同じくS2000の北野選手がコンマ5秒差でつける。カリカリチューンのEG3シビックの田中選手が、さらにコンマ2秒差で追いかける。注目の長谷川選手のエキシージは、1分08秒968で4番手につけた。大阪から前回の福島に加え、今回の中山にも参加という気合の入った遠征をしてくれた南部選手は9秒台で続く。
Class3は練習走行が始まると、最初から5台が絡むレース状態! みんなとても熱い!! 原選手のFD3Sが1分05秒348でトップ。やはりFD3Sが強いが、シルビアも頑張って欲しいと思っていたところ、松野選手のS14が2番手タイムをマーク。昨年西日本大会1位で決勝3位という塚本選手は3番手につける。「デカトー」の愛称でお馴染みの加藤選手は、去年の予選大会に4回出場し、2回が2位。ゲストドライバーから万年2位のレッテルを貼られてしまい今年こそはとナンバー1! を気合いを入れてきたものの、タイムが伸びず1分05秒590で5番手。
Class4は、中山サーキットの従業員とダブルエントリーした、内藤自動車の内藤選手エボ7と橘選手エボ6がワンツー。タイムはともに4秒台! その差わずかコンマ1秒だ。そして3番手は紅一点の望月選手! 紅一点といっても望月選手は昨年の西日本大会を2位で通過した強者! 愛車のインプレッサワゴンにはドグミッションが装着され更なるポテンシャルアップが図られているだけに注目の存在だ。同じくインプレッサで出場の妹尾選手は、残り時間5分というところでピットイン。空気圧を調整して再度アタックにかけるが、1分06秒741。5番手のタイムで走行時間終了となった。
練習走行は感じをつかむだけでタイヤを温存していたりという選手もいるので、本番アタック終了まで勝負は読めない。また、アタックに向けてマシンのセッティングを変えてくる選手もいるので、これから順位の変動もありそうだ。
■タイムアタック1回目
そしていよいよタイムアタック開始。Class1、いきなり1分07秒686を好マークしたのは宮地CR-X! 去年のこの大会でトップを獲っているだけに予想通りとも言えるが、直後にEF-9グランドシビック松井選手も大幅にタイムアップし、1分06秒984をたたき出してトップタイムをマーク。エンジンはコンピューターチューンのみというマシンで、このクラスのベンチマークとなる宮地選手のタイムをコンマ7秒も上回るタイムはすごい! そして細川選手も1秒3もタイムアップ。これら上位3台の順位は、セッション2が終わるまで読めない!
Class2は、内藤S2000が1分07秒024でトップタイム。S2000軍団に割って入りたい田中選手はアタックをかけるが、フロントのアンダースポイラーを縁石に引っ掛けて破損。アンダーカウルが落下してしまいハンドリングに影響が出たのか、その後タイム更新できず。そんな中、北野S2000は1分07秒118までタイムアップ! このクラスも熾烈だ!
Class3では、練習走行トップの原選手がさらにタイムを縮めて1分04秒555で相変わらずのトップ。昨年の西日本大会優勝者塚本選手にコンマ6秒も差をつける。そして加藤選手も遅れてアタック開始。1分05秒357で4番手のタイムだが、徐々にタイムを縮め1分05秒258をマーク、3番手につけた。
そしてClass4。タイムアタックイベントなのでいかにクリアラップを取るかを考えるところだが、トップ2台の内藤選手と橘両選手は、終始お互いを意識しながらくっついて走っている。田中哲也選手も同乗走行中に「思いっきり離された!」というほど気合の入った走りで、やはりワンツー。内藤選手は、なんと3秒台に入れてきた。インプレッサワゴンの望月選手は今回から投入したドグミッションの扱いに苦戦し、シフトミスが多発! タイムアップならず、4番手。
■タイムアタック2回目
そしてセッション2が開始。Class1、セッション1トップの松井選手は、アタックを続けるが、なかなかセッション1のタイムを更新することができない。そんな中、マシンの調子を崩しつつも、宮地CR-Xが1分06秒853というトップタイムを出した。ところが、セッション1と2の平均タイムで順位をつけるのがディレッツァチャレンジ。時間ギリギリのラストアタックで、松井選手が1分07秒280をマーク! これにより平均タイムで松井選手が上回り優勝。宮地選手が準優勝、DC2の細川選手が3位となった。古いクルマがトップ2。それにしても、この時代のクルマは軽いこともあって、たしかに見ていても速かった。
Class2は、セッション1で上位4台が7秒台をマークしている。駆動方式はFR、FF、MRと、タイプの違う車種による接戦が展開された。ここで田中選手が1分06秒701でトップに踊り出た! しかし、セッション1では後半でタイムを縮めてきた内藤選手だけに、まだ行方はわからない……と思っていた矢先に内藤選手がタイム更新! 1分06秒396で再びトップに立った。ところが、田中選手のEG3がグランドスタンド先の上りストレートでエンジンルームから煙を出し、徐々にスローダウン、上りきったところでストップしてしまった。どうやらエンジンブローのようだ。それでも記録は残り準優勝。優勝は内藤選手で、3位に北川選手がつけた。エキシージの長谷川選手も北川選手には届かなかったが、4位となった。
GTウイング以外派手なエアロは無し。シンプルなスタイルのFDで安定した走りをみせた原選手
この時期としては日差しが強く気温も路面温度も高かったが、Class3のアタックが始まる頃、雲に日差しが遮られた。そのチャンスを見逃さなかったのが加藤選手! いの一番でアタックを開始し、4秒台にたたき込む! しかもその直後、1本目に2番手につけていた51番の塚本選手が6コーナーでコースアウト、フロントバンパーを破損してしまった。同時にヘアピン付近にオイルが出たため即時赤旗中断。コースマーシャルによってオイル処理が行われた。このオイルに救われたのは塚本選手。タイムが計測される前にクラッシュしてしまったためこのままではリザルトが残らない状況だったのだが、オイル処理の時間にガムテープでバンパーを補修してタイムアタックに復帰することが出来た。ここで3番手タイムをマークしてきたのは松野選手。1本目をブッチぎった原選手はタイム更新こそなかったものの、安定したタイムで優勝を獲得。加藤選手は……今年も見事(!?)、2位に輝いた。
S耐マシンのようなド派手なステッカー。今回ぶっちぎりの内藤選手
Class4は、内藤選手が早々に3秒台でブッチギリ! インプレッサワゴンの望月選手はこのセッションでもミッションに苦しみ低迷。橘選手も内藤選手を追い上げるが、タイム更新ならず。田辺選手もセッション1よりもタイムが上がらなかった。そして、内藤選手の優勝が決定し、橘選手が準優勝。田辺選手もそのまま3位を獲得した。
■総 括
タイムを出している選手は、タイヤが発熱してグリップ良いところをちゃんと把握して走っているというレベル高さにはビックリさせられた。
また、今回は家族同伴やカップルで仲良く来ている参加者や見学者が多く見られた。車種に富んだ身近な車やドライバー達がサーキット内を元気に走り回るのを見ているだけでも十分楽しい。参加するのはもちろん。見に来るだけでも楽しいディレッツァチャレンジに遊びに行ってみよう!